誰も知らなかった吉野源三郎
岩波書店 其の六
ひとり岩波はいい本を安く売って信用を得た。
岩波文庫は「★一つ」二十銭である。二つで四十銭の文庫を一冊売っていくら利があるか。ほかの版元は岩波の定価が安いから高くしたくてもできない。
「低定価高正味」といって岩波は版元にも好意を持たれなくなった。
戦中戦後は本でさえあれば売れたからこの問題は
忘れられていたが、売れなくなって気がついた。
岩波は文庫も新書も雑誌まで返品できないのである。
ただし「世界」は初めはよく売れた。安倍能成、
和辻哲郎では古いから吉野源三郎は徐々に執筆陣を若くした。オールドルベラリストに原稿を頼まないで新進気鋭の論客に頼んだ。気鋭の論客というのは左翼また進歩的文化人のことだとはすでに言った。
安倍以下の老人は自然去って別に「心」という雑誌に拠ったが、もう読者とてはなくいつ終わったのか私も知らない。
吉野源三郎はかくれ共産党員で、岩波の社員の四割は党員またはシンパだといわれていた。何よりそれは紙面にあらわれた。これよりさき私は吉野の名を「日本少国民文庫」(新潮社)で知っていた。
山本有三編集の叢書で一番先に「心に太陽を持て」が出た。「心に太陽を持て」「くちびるに歌を持て」なんていい題である。一度聞いたら忘れられない。
けれども唇に歌をといってどんな歌だろう。日本のわらべ歌ではない。西洋の歌であろう。西洋の歌だからいい題になるのだが、結局これは題だけで飛びつく本である。
山本有三は老人ではあるがジャーナリストである。
この叢書の一冊「君たちはどう生きるか」の筆者が吉野源三郎で、これまた素晴らしい題である。
けれどもどう生きるかと問われて返事ができるものはあるまいと、私は読まなかったが、もし小学生だったら読んだだろう。それほどこれらは読者を魅了する題だった。
いま改めて他の緒編を見ると、「人間はどれだけの事をして来たか」「人類の進歩につくした人々」「人生案内」などがある。人間はどれだけの事をして来たかと自ら問うて自ら答える、その答えは察しが付く。
人類の進歩につくした人々と同じ面々である。してみれば社会主義も資本主義も産業革命以来の機械器具を発明した人を同じく進歩に貢献した人と見ていると分かる。
私は見てない。どうしてこんな文明を無条件で礼賛出来るだろう。これひとえに教育のせいである。
幼い時からそう教え込んでいるから世界中の子供は誰一人疑わないのである。これを疑ったら生きるに耐えないから、左右を問わず現代を肯定して
疑うことをタブーにしていたのである。
吉野は戦争中共産党のシンパとして捕えられ、
世間へ出ても雇い手がないので山本有三が助けた
ことは前に述べた。全十六巻の叢書が完結したのち岩波書店にはいった。
安倍能成が文部大臣になって去った後、吉野は名実共に「世界」の編集長になり、折から左翼全盛の時代に乗じて編集よろしきを得たから、「世界」は売れに売れた。
返品はなかったから、このときはまだ小売店は事を荒立てなかった。
その全盛時代は昭和三十五年「六〇年安保」まで
だろう。「世界」は全面講和を主張して、単独講和と対立した。ソ連中国の両大国だけを除いた講和は単独では無いのに単独と称し再び三たび大戦を誘発すると国民をおどし「世界」は増刷に次ぐ増刷をした。
大新聞も同じ論調だったから、岸をたおせ殺せという声は国会を包囲した。革命寸前の騒ぎであわやと思わせたが、仔細に見ると共に安保ハンタイではあるが、革命陣営の足並みはすでに乱れていた。「世界」は代々木の共産党べったりで、学生の多くは反代々木である。
共産党はこの運動を党勢拡大に利用しようとしていると、反代々木系の学生は見てとって共産党とすでに敵対していた。
安保反対を本気で戦ったのは、全学連だけだったのではないかと後に言われた。
新聞はこのぶんでは本当に国会に乱入しまいかと
恐れて、「暴力を排し議会主義を守れ」と七社連合の声明(広告)を出したら、不思議ではないか騒ぎはぴたりとおさまった。
この広告を企画したのは電通だといわれた。
「今こそ国会へ」とあれほど扇動した新聞は
その鎮静ぶりに我ながら驚いたが、それに対する
反省はなかった。
吉野源三郎 よーく考えよー。お金は大事だよー。
2017年 59冊(作品)目【初読み】【独断】5.5
まごうことなき
名作!!
こういう名作を読むといつも思うが、もっと早くしりたかったし、読みたかった。残念な思いがこみ上げる。
この本であれば、中学生の時には読みたいと思う。
ある意味、素直にすくすくと育てば、反抗期の年代。
その年頃の若造として、人に言われて聞けぬものも、文章であれば心に響く。かもしれない。
その頃に読みたかった。ひよっとしたら人生変わってるかもね。
今の年に読むと。
この本に限らないし、この本とは直接的にはつながらないが、
<社会貢献>をすべきだという思いが強くなる。その思いは、ここ何年かずっと、頭と心の片隅で燻り続けている。
何かなさねばならない。ならない、と。
未だ定まらないし、踏み出せないが、とにかく頑張ろうと思う。
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11月26日 日曜日晴れ時々曇り?
昨日会社に出社したら
他部署の先輩に
今日
ジャンボ やん
ジャンボ
と言われました ?
何?
何の事?
僕の股間の事ね… 
皆さん
スルーして下さい。 
昨日は久しぶりに
ジャンボがship sideに止まってました
貨物を搭載する仕事をしてたけど…
事務所に移ってからは
飛行機を見る機会が減り
久しぶりのジャンボ機の姿に
迫力と存在感を感じました。
あまりにも最近ネタが無かった為
しょ?もない仕事の話になりました。
読書の秋

皆さん
どんな本を読まれましたか?
わたくし
色々な本を読みました。
自分再起動
いい本でした ?
何かに挑戦する事。
そして、そのクエストを達成する為の
計画と準備。
そのクエストを達成した後
何を感じるか?
何を得るのか?
そして
そこにたどり着くまでの
日々のストーリー。
それは一生の宝物になるであろう。
そこで頭に浮かんだのが
1.The ultra marathon
2.The trail running
人生を楽しもう。
今日は
美容室から帰ったら
ハチオウジ工務店から
帽子が到着してました ?
チョコっとRUN

良い汗?
かいた後は
スターバックスで
コーヒー豆を買って自宅で読書 ?
カフェでのんびりする時間も
大切にしていきたいなぁ

それでは

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岩波新書 吉野源三郎 岩波書店ショクギョウ ト シテノ ヘンシュウシャ ヨシノゲンザブロウ 発行年月:1995年01月 ページ数:250p サイズ:新書 ISBN:9784004300656 1 編集者として(編集者の仕事ー私の歩んだ道/ジャーナリストとして/1930年代ー岩波新書とペリカン・ブックス/『世界』創刊まで)/2 思い出すこと(原田文書をめぐって/終戦直後の津田先生)/3 歴史と現代(日の丸の話/歴史としての戦後民主主義) 『君たちはどう生きるのか』の著者吉野源三郎氏(1981年没)は、新潮社、岩波書店で編集者として活動した。戦前、岩波新書創刊に携わり、戦後は雑誌『世界』の編集長として日本の出版史に独自の足跡を残した。その回想の記録を編む本書は、昭和史の一側面をとらえた貴重な証言であり、また今日のジャーナリズムへの厳しい問いかけに満ちている。 本 新書 その他
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