長崎新地中華街

   今日は、2017.11.4付朝日新聞の土曜版（＝be　on　Saturdey）の記事を話題にして書いてみたい。

美容院での会話

美容院で、新人がシャンプーしてくれた。イスの背もたれを倒し、顔に目隠しの布がかけられたその次、彼女が言った。「今までどんな人生を歩んでこられましたか？」

えっ、この状態で？初対面のあなたに？47年の人生を数分では語られへん……。

（奈良県橿原市（かしはらし）・人生いろいろありました・47歳）

これは10面の投書欄「いわせてもらお」に投書された文章である。中国人の皆さんは笑えるだろうか。47歳の女性にとって「この状態で、初めて会った若いあなたに……、これって何？」という感じだっただろう。

　 一方、新人の美容師さんの方から見ると、笑えない。日本では美容師になるためには美容師学校に、理容師になるためには理容師学校に通わなくてはいけない。技術だけを学ぶのではない。人としてのあり方、いわゆる人間教育も行われる。

　　私の行きつけの理髪店で聞いたことであるが、「これからの美容師・理容師は感性・感受性が豊かでないといけません。話題も豊富に持っていないといけません」と。これを話してくれた店主は市内の理容師学校で教鞭を取ったこともある人で人間的にも素晴らしい人である。

　　この新人美容師も顧客との応対についてこれまで十分に指導されていたのだろう。それでつい学習したことを実践してみたくなったのだろう、少々背伸びをしていることを知ってか知らずか。彼女にとっては顧客へのサービス精神の発揮と心得ていたはずである。それやこれやを推測すると、涙ぐましい努力と言っていいであろう。その後の展開については書かれていないので、どうなったかは判らない。しかし、私には新人美容師の懸命さが伝わってくる投書の内容であった。それゆえ、笑うだけでは済まされなかった。

　大浦天主堂前の中国人観光客

　 2面には「旬ネタ」というコーナーがある。今回紹介されていたのは

吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』。この書物は1937年に少年少女向けに刊行され、今日までずっと読み継がれてきている。今回、この名著が漫画化されたという紹介である。

　　1937年に注目してほしい。中国の皆さんはこの年については日本人以上に知っているはずである。日中戦争が始まった年である。この年に「軍国主義が進むなかで偏狭な国粋主義、反動主義から、子供たちを守ろうという思い」から書かれたと言われている。

　　中国の歴史教育の中で、こういう立場の人がいたということはあまり語られないと思う。しかし、どうかこれを読んでくれている皆さんはこのことを頭の隅にを入れていただきたい。チャンスがあればこの書に目を通してほしい。少年少女を対象に書かれたものではあるが、大人が読んでも「生きること」について十分に考えさせてくれる。

　　因みに、山東師範大学の図書館にこの書物を寄贈している。本科生2年生以上の学生はぜひ手に取り、それぞれの今後の人生において役立ててほしい。

　　蛇足ながら、日本では10月27日〜11月9日まで読書週間であった。

〔参考資料〕

朝日新聞２０１７．１１．４付

うちの夫は子供達の教育に熱心ではありません。

子供達の進路や将来について口を出すこともあまりありません。

時々私は、

「このままで将来大丈夫だろうか？」

「もっと勉強させた方がいいのではないか？」

と、不安になることがあります。（特に長男の定期テストの結果を見た後・・・）

そういう時夫は、

「大丈夫だよ、どうにかなるよ。」

と根拠のない自信で答えてくれます。

そして、

「これはあの子達の問題だよ。馬を水辺に連れて行くことはできるけど、水を飲ませることはできないよ」

と、「課題の分離」を思い出させてくれます。

夫からよく言われるのは、

「そんなに心配しなくても、子供達は自分たちでどうにかやっていけると思うよ。僕たちは僕たちの未来を考えようよ。」

ということ。

確かに、人生100年時代、私たちの人生もこれからまだまだです。

楽しい未来の計画を立てなきゃね

昨夜、珍しく夫が子供達に本を買ってきました。

最近話題の、「君たちはどう生きるか」の漫画バージョン。

子供達よりも私の方が先に読み終えそうです